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Proxmox Virtual Environment 8.3リリース
新機能紹介

2024年11月21日に、「Proxmox Virtual Environment(Proxmox VE)」のバージョン8.3がリリースされました。
Proxmox VE 8.3は、Debian 12.8(Bookworm)をベースに構築されており、安定版のデフォルトカーネルとしてLinux 6.8.12-4を採用しています。また、オプトインでカーネル6.11を使用することも可能です。本バージョンでは、QEMU 9.0.2、LXC 6.0.0、ZFS 2.2.6(カーネル6.11との互換性パッチ付き)など、最新のオープンソース技術が統合されています。

新機能としては、SDNとファイアウォールの統合強化やWebhook通知の追加、タグビュー機能、Ceph Squidの技術プレビューを提供。コンテナバックアップの高速化やOVA/OVFファイルの簡易インポートも実現し、他ハイパーバイザーからの移行をさらに容易にしました。最新のオープンソース技術を採用し、効率的かつ柔軟な仮想化管理を可能にする強力なアップデートです。

Proxmox VE 8.3のリリースの6つの新機能の概要は下記になります。

1. SDNとファイアウォールの統合

ソフトウェア定義ネットワーキング(SDN)技術がファイアウォールと緊密に統合されました。これにより、仮想ネットワーク(VNet)のIPセットが自動生成され、IPアドレス管理プラグインを通じて効率的に管理可能となります。

また、nftablesベースのオプトインファイアウォールは、仮想ネットワークレベルでのトラフィックフィルタリングをサポートし、SNATトラフィックやゾーン間トラフィックの制限が容易になります。

SDNとファイアウォールの統合

2. 通知システムにWebhookターゲットを追加

通知システムに新たにWebhookターゲットが追加され、システム更新やバックアップジョブなどのイベント時にHTTPリクエストをトリガー可能となりました。

カスタマイズ可能なヘッダーやリクエストボディにより、Webhook対応サービスとのシームレスな統合が可能です。

3. タグビュー機能の追加

リソースツリーに「タグビュー」機能が追加され、仮想ゲストをタグごとにグループ化して迅速かつカスタマイズ可能なビューを提供します。

タグビュー機能の追加

4. Ceph Squidのサポート(技術プレビュー)

Ceph Squid 19.2.0を新たにサポートし、引き続きCeph Reef 18.2.4およびCeph Quincy 17.2.7も利用可能です。インストール時に優先するCephバージョンを選択できます。

5. コンテナバックアップの高速化

Proxmox Backup Serverへのコンテナバックアップ時に、変更のないファイルを効率的に検出することで、バックアップ速度を向上させました。
コンテナバックアップの高速化

6. 他のハイパーバイザーからの移行を簡略化

Open Virtualization Format(OVF)およびOpen Virtualization Appliances(OVA)ファイルのインポートが可能となり、Proxmox VEのウェブインターフェースを使用して直接ストレージに取り込むことができます。

また、VMwareゲストを含む他のハイパーバイザーからの移行を支援するインポートウィザードも提供されています。

他のハイパーバイザーからの移行を簡略化

Proxmox CTO Thomas Lamprecht氏のコメント

「私たちの仮想化プラットフォームは、企業に比類のない効率性と制御力を提供することを目的としています」と、ProxmoxのCTOである Thomas Lamprecht氏は述べています。「高度なソフトウェア定義ネットワーク(SDN)機能を統合することで、企業がITインフラを簡素化し、機動性を向上させ、スケーラブルな成長を推進できるよう支援しています。現在、Proxmox Datacenter Managerの初版を開発中であり、これにより複数のデータセンター運用を統一的に管理できるインターフェースを提供し、さまざまなデータセンターにまたがる複数のクラスターを効果的に管理できるようになります。」

Proxmox COO Tim Marx氏のコメント

「オープンソースプロジェクトであるProxmox VEは、ここ数ヶ月で大幅な成長を遂げ、30万のアクティブホストが追加され、合計で約130万に達しました。現在のダイナミックなビジネス環境において、特に市場の価格変動が新たな機会を生み出している中、私たちは成長に向けた絶好のポジションにいます」と、ProxmoxのCOOであるTim Marx氏は述べています。「品質と価値への取り組みが強く共感を得ており、この勢いをさらに発展させていくことに大きな期待を抱いています。」

今回のアップデートでProxmox VEはさらに使いやすく、効率的な仮想化プラットフォームとしての地位を固めつつあります。新しいツールや改善されたUIは、ユーザーがより簡単に仮想基盤を管理し、最適化する手助けとなるでしょう。

リリースリンク : https://www.proxmox.com/en/about/press-releases/proxmox-virtual-environment-8-3

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